上、そして宇宙でさえ栄華を誇った人類の歴史は大きな転機を迎えていた。突如として反旗を翻した月のニューラルコンピューティングシステム「アルテミス」の核攻撃によって高度に築き上げられた情報ネットワークは引き裂かれ、地上は殺人兵器「ヒュームハンター」が徘徊する死の世界へと変貌する。

レートヴォイドウエイ と呼ばれる地底空間の中に都市が建設されてから１世紀余りが経過した。人類は地下世界での活動に適した有人兵器「トレーサー」を開発し、地上からの侵入者の撃退に成功しつつあったが、長期に渡る戦乱により既存の国家は衰退、代わりに勢力を伸ばした軍事産業が傀儡の政府を操る企業統治国家の時代が到来する。

業間の確執が深まる中、トレーサー同士の対戦が競技として認められるとそれは企業の技術力を占う場となった。
やがて「フェイオス協定」の締結に至り、大会で優秀な成績を収めた企業が次期の権力を担うことが約束されると、トレーサーの開発競争はいよいよ白熱したものになっていったのである。

なたはトレーサーのパイロット「ガンナー」となり、一握りの巨大企業が覇権を競う過酷な世界を生き抜いていく。